はじめに
押し麦は、日本の伝統的な食材として古くから親しまれてきました。近年では健康志向の高まりから、押し麦の栄養価と利便性が見直されています。本記事では、押し麦の魅力を存分にご紹介します。押し麦を活用した料理のアイデアや、押し麦がもたらす健康上の利点など、幅広く取り上げていきます。
押し麦とは
押し麦の正体をまずは確認しましょう。
大麦を平たくした押し麦
押し麦は、大麦を平たく加工したものです。大麦そのままでは水分を吸いにくく消化もしずらいため、精麦した後に蒸気で加熱し柔らかくした後、ローラーで押し潰して平たくしています。
こうすることにより水分の吸収ができ、消化にも良くなります。
押し麦ともち麦
押し麦・もち麦どちらも大麦からなるものです。大麦にもお米のようにうるち性ともち性があり、うるち性の大麦を食べやすく加工したものが押し麦で、もち性のものがもち麦です。
大きな違いは、食感にありもち麦はもち性の大麦から作られているため、白米と一緒に炊くと、もち麦の方がプチプチとした食感を強く感じます。押し麦は、しっかり水分を含み白米と馴染むので、はじめて食べる人も違和感なく食べやすいと思います。もち麦も押し麦も栄養価が非常に優れた食材です。コスパ的には押し麦の方がいいです。
押し麦の栄養と健康効果
押し麦の最大の魅力は、その豊富な栄養素と健康への貢献です。大麦由来の押し麦には、さまざまな栄養素が含まれています。
食物繊維の宝庫
押し麦に豊富に含まれる食物繊維は、健康的な生活を送る上で欠かせません。特に水溶性食物繊維であるβ-グルカンの働きが注目されています。
- コレステロール値を下げる効果があります。
- 血糖値の上昇を抑える働きがあります。
- 便秘の改善や整腸作用が期待できます。
また、食物繊維が豊富なため満腹感が持続し、食べ過ぎを防ぐ一助にもなります。
ビタミンとミネラルの豊富な供給源
押し麦にはビタミンとミネラルが豊富に含まれているので、バランスの良い栄養素の摂取につながります。
骨や歯を構成するミネラルのカルシウムは白米の約4倍含まれています。ビタミンB群も豊富に含まれているので美容や、健康な体づくりに最適です。
特に胚芽押し麦は、ビタミンEやビタミンB群が豊富に含まれています。胚芽押し麦とは、普通の押し麦の胚芽を取り除いてないもので、普通の押し麦よりも栄養価が高いです。
押し麦の活用方法
押し麦を上手に活用すれば、健康的で美味しい料理が簡単に作れます。基本的な炊き方から、アレンジレシピまで幅広くご紹介します。
基本の炊き方
押し麦の炊き方は、以下の通りです。
【麦ごはん】
米・・・2合
押し麦・・・90g
- 押し麦を水洗いする必要はありません。
- 米と押し麦の割合を決めます(お好みの割合で)
- 米は通常の炊飯どうりの水を入れ、押し麦は分量の2倍の水を加えます。
※押し麦・もち麦は麦の分量2倍の水加減です - 30分程度水に浸し、吸水させます。
- 炊飯器の「白米コース」で炊飯します。
この方法で、ふっくらとした食感の麦ごはんが簡単に作れます。
アレンジレシピ
麦ごはんの他にも、押し麦は様々な料理に活用できます
- サラダで食べる
〈材料〉
押し麦・・50g
蒸しサラダ豆(70g)・・1パック
キューリ・・1/3本
ツナ缶・・1/2缶
イタリアンドレッシング(お好みのドレッシングで)
〈作り方〉
押し麦は水に10分ほど浸した後、15分ほど茹でる。
茹でた押し麦を流水にとり、しっかり水切りする。
1㌢角に切ったキューリと、サラダ豆、ツナ缶、押し麦を和える。
皿に盛り付け、お好みのドレッシングで。 - スープに入れて食感を楽しむ
普段調理するスープに押し麦を20gほどそのまま入れ、煮こむだけです。
ミネストローネや野菜スープに入れるなど簡単に使えます。
押し麦が料理に奥行きとアクセントを加えてくれます。料理に押し麦を加えれば、ボリューム感もアップし、豊富な栄養素を体に取り入れることができます。また、ダイエットにもつながるので地道に健康的な食生活を目指しましょう。
押し麦の選び方と保存方法
押し麦を上手に活用するためのポイントを、選び方と保存方法からご紹介します。
押し麦の選び方
押し麦を選ぶ際は、以下の点に注目しましょう。
- 食べ応えを求めるなら、粒が大きい二条大麦が良いでしょう。
- 原料にこだわりたい人は有機栽培で育てられた押し麦が良いでしょう。
- 胚芽に含まれる栄養素もしっかり摂りたい人は、胚芽押し麦が良いでしょう。
はじめて食べる人は、胚芽のないものの方が良いでしょう。 - 白米に混ぜて手軽に取り入れたい人は、小分けタイプがおすすめです。
日常的に食べる人は、コスパの良い800gほどの小袋タイプが良いでしょう。
押し麦の保存方法
押し麦の賞味期限は長めですが、美味しく食べるためにも適切な保存が重要です。
- 常温で保存できますが、高温多湿を避け、涼しい場所で保管します。
- 開封後は密閉容器に入れ冷蔵庫の保存がおすすめです。
- 茹でた押し麦は、平らにして密閉袋に入れ冷凍保存もできます。1ヶ月以上は保存できますが、できるだけ早く食べるようにしましょう。
長期保存の場合は、冷凍庫に入れましょう。解凍時はサッと水洗いをして、余分な水気を切るのがコツです。
まとめ
押し麦は、栄養価が高く、調理も簡単な食材です。ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、健康的なライフスタイルを送るのに最適です。基本の炊き方を覚えれば、麦ごはんから始められますし、アレンジレシピを試せばさらに楽しみ方が広がります。押し麦の魅力を存分に味わってみてはいかがでしょうか。
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